2016年11月23日水曜日

2016 IRONMAN 70.3 Xiamen レポート ~FUJIサポートライダー安曇 樹香選手~


2016年11月13日(日)に中国で開催されましたアイアンマン70.3 アモイにFUJIサポートライダーの安曇 樹香選手が出場。レースレポートが届きましたので、ご紹介します。



 写真右側:安曇 樹香選手使用バイク(レースNo.1825)NORCOM STRAIGHT1.1


【開催日】20161113日(日)

【場所】Xiamen,China
【距離】Swim 1.9Km / Bike 90Km / Run 21.1Km (Total 113Km)
【総合記録】5:15:12F25-29 RANK:3
 
Swim0:41:18
スイムは浜からスタートし、右回りに1周回するコース。水温は22度と冷たくなく、日差しもあって、ウエットスーツを着ていると暑いくらいだった。風や波の影響はなかったが、潮の流れは強く感じられた。潮は浜から見て右から左へと流れていた。
スタートは10秒おきに5人ずつのローリングスタート。スタートする順番は決められていない。初めてのやり方なので、どのような感じなのか様子がわからなかった。早めにスタートしてスイムが得意な人の流れについていくか、様子を見て後ろの方からスタートするか…。そんなことを考えていたら、人の流れにもまれてあっという間に自分の番が来てしまった。
321!」の合図で他の4人の選手と共にスタートゲートを飛び出す。いつもとは異なり、人が散らばっていたため目立ったバトルはなかった。自分のペースで落ち着いてスタートすることができた。
浜から700mほど沖へ泳ぐと、ブイを大きく右に回る。そこからは潮流に逆らいながら泳がなくてはならない。100mごとに設置されたブイの一つ一つがとても遠く感じられた。600mほど浜と並行して泳ぎ、ブイを大きく回ればあとは浜に向かって一直線。しかし、前を泳ぐ選手を見ると、皆ブイとは異なる方向へ蛇行している。「おかしいな。」と、ヘッドアップしてコースを確かめて泳ぐが、いつの間にか自分も蛇行していた。潮の流れにはどの選手も苦戦していたようだった。
自分の力不足もあって、スイムでは予想以上に時間がかかってしまった。
 
Bike2:53:56
スイム会場からトランジションエリアまでは少し距離がある。ここでいかにタイムロスをなくすか。あれこれ段取りを考えながら急いでバイクパートへ移る。
バイクは海岸沿いの大通りを走る。アップダウンのない直線コースを2周回する。23車線ある道が全面交通規制され、日本では体感できない広々としたバイクコースであった。
スイムで時間がかかってしまったが、気持ちを切り替えてバイクパートをスタートさせる。だが、序盤から緩やかな坂や向かい風で思うようにペースが上がらない。無理して足を使いすぎないように気をつけながら、15km先の折り返し地点を目指す。
折り返しを過ぎると、そこから20kmはコーナーのない直線の道。風向きが変わり、身体もようやくほぐれてきて、ペースが上がった。エアロポジションで足の回転を意識する。今シーズンから乗り始めたNORCOM STRAIGHT 1.1にもだいぶ慣れてきた。安定したポジションで無駄な力みが減り、レースを経験する度にバイクパートの力が向上しているのを感じる。
海岸沿いをまっすぐに走っていくと、大橋が見えてくる。厦門の街並みや港に浮かぶヨットなどを一望できる見晴らしの良い場所だった。気持ちも前向きになり、一気に橋を駆け上がる。
橋を下ると折り返し地点。そこからは再び向かい風となる。今下ってきた大橋も、また登るのかと思うときつく感じられる。風に抗いながら10kmほど来た道を戻ると、レース会場が見えてくる。そして、ようやく1周回目が終わる。
平坦なコースということで高速レースになると予想していた。しかし、コースマップからは分からないなだらかな坂や海からの風があり、思った以上に苦戦してしまった。特に周回コースのラスト10kmが向かい風だったのは辛かった。また、山の下りのように足を休める場所もなく、常に足を回し続けていたことで、足の疲労が結構溜まっていた。いつもより少し不安を抱えたままバイクパートを終えた。
 
Run1:31:18
バイクからランへのトランジションも少し距離が長い。バイクを降りてからトランジションエリアをぐるっと一周しなければならない。迷ったが、バイクシューズを脱いで裸足で走って正解だった。
ランは海岸沿いの舗装された道を3往復する。天気の良い日は海の彼方まで見え、見晴らしの良いコースだ。朝や夕方には、たくさんの地元の人たちが走ったり海を眺めながら体操したりしていた。
最後のランパートで全力を出し切ろうと勢いよく飛び出した。一人、また一人と前を走る選手の背中を追う。沿道の「加油!」という声援が力強く背中を押してくれた。日本人選手が少なかったので出会えたときは大きな励みとなった。
1周目で飛ばしすぎたか、2周目に入ったところで足がぐっと重くなった。向かい風も体に堪えた。粘りどころと走っていると、1周先を走るサムライメンバーの石倉さんの背中が見えてきた。声をかけ合い、気持ちを入れ直す。ラストスパートでペースアップする選手が近くにおり、頑張ってついていく。そのおかげで中盤のペースを立て直すことができた。
3周目、いつもはない息苦しさや胃のむかつきがある。呼吸がうまくできず、気持ちが悪い。ペースががたっと落ちてしまった。1km1km、足を前へ進めるのが精いっぱいのときもあった。これで最後とラスト数kmはペースを上げたものの、大好きなランパートで守りに入ってしまったのが悔しい。
バイクパートと同様、フラットなコースだと思っていたが、実際に走ってみると意外にタフなコースであることがわかった。強い日差しや向かい風。道も平坦に見えて緩やかに登っている。舗装されていない狭い場所や芝生の道など、走っていて注意しなければならない所もあった。そうした場所でペースが乱れてしまうのが一番苦しかった。
また、ローリングスタートだったため、自分の順位が最後まで分からない。同じエイジグループの人とすれ違っても、その人が自分より速いタイムで走っているのか、どうなのか。それでも一秒でも速くゴールしたい。気持ちを強くもたなければならず、最後まで自分との戦いだと思った。
 
今回のレースは、コナの出場権を獲得できるとあってどんなレースになるかドキドキしていた。私にとって初めてのハーフアイアンマンであり、レースではショートディスタンスのようなスピード感を味わうことができた。海外選手のバイク力には改めて圧倒された。結果的には力が及ばず、コナの出場権を得ることはできなかったが、ハーフアイアンマンだったからこそ自分に足りないものや苦手な面がよくわかった。この経験をロングディスタンスでも生かしていきたい。
応援して頂いた方、サポートしてくださった方、本当にありがとうございました!

                                写真左側:安曇 樹香選手




2015年8月に中国の大手企業グループがアイアンマンを主催するワールド・トライアスロン・コーポレーションを買収したことで、欧米での開催が多かったアイアンマンシリーズがアジア圏内での開催増になるのではないかと思われたが、今年の7月になって急遽中国で2つのアイアンマン70.3の開催が決定。10月16日のホーフェイと11月13日のアモイがその二つ。どちらもアイアンマンの半分の距離のレースでありながら、アイアンマン世界戦のスロット枠が配分されているというから、世界戦への権利獲得にチャンスのレースであった。
安曇選手のエイジでは、スロット枠が「1」と最少数であったことで惜しくもチャンスを逃す結果となったが、来年はさらに中国でアイアンマン70.3のレースが3つ追加され、それぞれ世界戦へのスロットも「30」分配されることから、来期もぜひ世界戦への権利獲得目指して期待の高まるところです。
これからも皆さまの熱いご声援を安曇選手へよろしくお願いします!

0 件のコメント:

コメントを投稿